【卒論って文献調査のみになってしまってもいいの?】
卒業論文において、文献調査のみで構成することは一般的には避けられています。理由は主に3つあります。
- 実証性や新規性が不足する
文献調査だけだと、独自の検証や新たな知見の提示ができません。卒論には一定の実証性や新規性が求められるためです。 - 研究手法の演習ができない
実験、調査、データ収集などの実践的な研究手法を体験できません。大学での学びの集大成として、これらのプロセスを経ることが重視されています。 - 発展性や課題提起が不十分
文献調査のみだと、論文の発展性や今後の課題提起が不足してしまう恐れがあります。
しかし一方で、調査研究のみの卒論でも一定の価値は認められる場合があります。例えば以下のようなケースです。
・革新的な概念の提唱やモデル構築を行う理論研究
・広範な文献レビューと先行研究の体系的な整理
・新しい仮説を立て、実証の方向性を示した研究
ただし、このようにするには十分なリサーチ能力と、研究意義の明確な提示が必須となります。
指導教員からも、単に文献を列記するだけでは卒論としては不十分と指摘されるでしょう。調査研究のみの場合、その意義や新規性を明確に説明できることが前提条件と言えます。
要は、研究手法の限界は認識しつつ、それに代わる価値の提供が求められます。文献調査に終始しても、目的意識さえ明確であれば卒論としての価値は十分にあり得るということですね。